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Dialogue

伊藤比呂美×平松洋子『生きる』その2


5月16日(金)、東京・渋谷のBunkamuraドゥマゴパリにて開催された、伊藤比呂美と平松洋子のトーク・イベン。「ドゥマゴサロン 第10回文学カフェ『生きる』」。その様子を3回に渡ってご紹介している、第2回め。

取材・撮影/Coyote編集部

伊藤比呂美 人間って、死ぬまでの時間を生きているだけでしょう。私、仏教もだいぶかじってきましたけれどーーかじるというか、経典とかだいぶ読んできたわけですけれどーーそうしたら、「人間って、死ぬんだなぁ」ってつくづく思いましたよね。平松さんって、今、おいくつ?
平松洋子 今、56です。
伊藤 ほぼ同世代よね。じゃあ、私たち、あと何十年か生きるでしょ。というか、何十年しか生きないわけでしょ。それまでの時間を、刻一刻、費やしていくわけでしょう。もう充分かな、みたいな。
平松 それは、私たちがこうして50代後半まで生きたから言えるのでしょうね。親が子供に対しては、そういう言い方は難しいのかなとも思いますよね。
伊藤 親としてできることは、(私たち親が)「生きてきたんだ!」ということを見せつけることだと思う。母親として、「しっかり食べろ!」「生きろ!」と言っている姿を見せつけること。そういう、ある意味で「取り乱した姿」というのかな、それを、我が子にしっかり見せることが大事だと私は思います。そういう姿を一瞬でもいいから子供に見せつけておけば、子供は「あれはお母さんにもらったメッセージだ」としてーー56までもしその子が生きていれば、そのときに思い出してーー「あ、お母さん、ああ言っていたな」と思うんじゃないかな。そして「自分が生きているのは、お母さんがあのとき『生きろ』と言ってくれたからだ」って思うはず。
平松 その通りですね。母と子の関係性として、必ず核としてあるのは「生きろ」ということだと私も思います。今、伊藤さんが言った、「死ぬまで生きる」という言葉は、本当に、深い真実だと思います。
伊藤 いつか死ぬ、それまで生きる。
平松 食べ物もそうです、「いつか死ぬ、それまで食べる」です。
伊藤 平松さんは、どうして「食べ物」にこだわっているんですか?
平松 いや、こだわっているわけじゃないんですよ(微笑)。ただ、食べ物というのは、とても「広い」のですよね。食べ物って、あらゆる物事の深部まで、ぐっと入っていけるような実感があるんです。私にとって食べ物は、「いろんなことを考えることの核」のようなものなんです。そこから広がっていけるし、そこから考えていくというか。「食べる」ということを基準にしたときに、自分が思いもよらないようなことに出逢えたり、思いもよらないような場所へ行ったりとか、いろいろなことを理解できたり、知ることができたり……。うまく言えないけれど、「食べる」ということは、私にとって、非常に大きな要素なんだなって、思っていますよね。「食べる」というのは、本当に大切で、あらゆることについての基本なんだなって。





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