O’KEEFFE and ADAMS

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今、ハワイ州オアフ島ホノルルにある、
ホノルル美術館で、ジョージア・オキーフと
アンセル・アダムズの展覧会が開催中だ。
オキーフが描いたハワイ、アダムズが撮ったハワイ。

text & photography by EIICHI IMAI

 1939年、米国の芸術家、ジョージア・オキーフは、マウイ島にいた。イアオ渓谷の、今では一大観光地となっている「イアオ・ニードル」の前に立ち、白いキャンバスに向かっていた。オキーフ、52歳の年だ。
オキーフは当時、米国本土では「忘れられつつある芸術家」だったという。驚くべきことにオキーフをこのときハワイ諸島へ誘ったのは、後のドール社であり、彼女は「パイナップルの宣伝用の絵」を描くために、つまりコマーシャルの仕事で、島々を巡っていたのだ。もちろんそれでも、オキーフの心にあったのは、自然と真摯に向き合うことであり、自然との調和の中にある「美」を、自分の絵として表現することだったはずだ。2か月ほどオキーフはハワイに滞在し、各島を巡り、いくつもの絵を残した。




それから10年後、米国の写真家、アンセル・アダムズはやはりハワイにいた。
マウイ島パイーアの本願寺で、美しい虹を背景に日系ハワイアンの墓石を、モノクロ。フィルムを入れたハッセルブラッドF1000で、撮影していた。アダムズはハワイ島の火山地帯で、雪が積もったハレアカラの頂近くで、人のいないモロカイ島の荒れ地で、オアフ島ホノルルの街の中で、撮影をした。そのときアダムズ、47歳。


現在、オアフ島ホノルルにある、「Honolulu Museum of Art ホノルル美術館」で、偉大なる芸術家と写真家、ジョージア・オキーフ、アンセル・アダムズの展覧会が開催中だ。「オキーフが描いたハワイ」、「アダムズが撮ったハワイ」である。


Honolulu Museum of Art ホノルル美術館