古波蔵徳子さんの、おかえりごはん。

沖縄島、那覇。
琉球料理「美榮」の厨房いっさいをとりしきる、古波蔵徳子。
店を引き継ぎ4半世紀。
「ひとつひとつを丁寧に、それだけを守ってきました」と控えめに語る。
「美榮」の徳子さんの、おかえりごはんのレシピ。
 

ソーミンプットルゥー

〈材料〉
ソーメン、もやし(ヒゲをとる)、三枚肉(らふてぃ)、
ねぎ、肉だし(おちょこ一杯分)、醤油、ラード

〈作り方〉
1肉だしに醤油を少々合わせておく。
2フライパンにラードを入れてもやしをサッと炒める。
3茹でたてのソーメン(水にさらす必要はない)をフライパンに入れる。
4肉だしの調味料を入れる。
5細切りにした三枚肉とネギを入れて軽く混ぜ合わせる。

ソーミンプットルゥーはソーミンチャンプルーと称されることが多い。プットルゥーとはデンプン質のものがどろっとした状態になることをいう。茹でてすぐに炒めることが美味しさのコツ。


くうむ煮

〈材料〉
さつま芋、田芋、砂糖、塩、もち粉

〈作り方〉
1さつま芋をふかして裏ごしをする。
2田芋をふかして、さつま芋と厚手の鍋で合わせる。
3鍋を弱火にかけ、ゆっくりと練り合わせる。
4なめらかになったところに、砂糖を少々、水で溶いたもち粉を入れ、さらに塩を少々入れる。

もともとは、めでたい席に供された料理で、少量の食紅を加えたこともあった。ほのかな甘みと、ねっとりとした舌ざわりで、特に子どもたちの大好物だった。


豚ロースの味噌漬け

〈材料〉
豚ロース、味噌、肉だし

〈作り方〉
1豚ロースをたたいて薄くする。
2味噌に肉だしを加えてのばす。
3豚ロースを漬け込んで二、三日おく。
4豚ロースをアルミホイルで包み、網で片面15分前後ずつ弱火で焼く。

古波蔵保好が母の手料理で思い出すひとつ。ご飯のおかわりが進んで、母を安心させた。肉にじっくりと味をしみ込ませ、火は強くしないこと。