Coyote meets Patagonia
ヴェンチュラ、リノ。 パタゴニア取材日記。

第1便<成田→サンフランシスコ→リノ>

9月発売の『Coyote』では、世界的なアウトドア・メイカーである「パタゴニア」を大特集する。現在、ネヴァダ州リノ、カリフォルニア州ヴェンチュラ、ワイオミング、ハワイの4つの場所で、Coyoteの取材が行われている。

文&写真=今井栄一 text & photography by Imai Eiichi
01_01


【ハプニング】
6月27日(木)、午後5時35分発のUA852便で出発した。成田空港からサンフランシスコ空港へ。到着は朝で、同じ日の午後3時台の便でネヴァダ州リノへ向かう予定だった。
ところが、サンフランシスコ空港で米国への入国を無事すませ、国内便に乗り換える際、「あなたのリノ行きの便はキャンセルになっている」とユナイテッド職員に告げられてしまった。
明日(金)、午前中からリノのパタゴニアで取材が予定されているため、今日中にリノに入っていなければならなかった。リノまでは空路50分ほどで、オアフ島のホノルルからハワイ島のヒロへ飛ぶようなものだ。距離的には確かに近い。車で移動することも考えたが……でも、その間にはシエラ・ネヴァダ山脈が横たわり、陸路で行くにはちょっと面倒だった。
とりあえずキャンセル待ちに名前を入れてもらった。キャンセル待ちの便は、予定よりずっと早い12時半の飛行機で、あと1時間ほどだった。「もし、これに乗れなかったら?」とカウンターのユナイテッド職員に訊いてみた。
「うーん……、夜10時頃の最後の便のキャンセル待ちに名前をまた入れるか、あるいは明日の便ですね」
とかなりツレない返事である。やれやれ。でも、彼女にもどうしようもないのだ。
本当なら、午後3時半の便まで時間がたっぷりあったから、サンフランシスコの空港内にあるヨガ・スタジオへ行ってヨガをちょっとして(笑)、それからサンフランシスコ名物のクラム・チャウダー&ブレッドを、のんびり地ビールを飲みながら、楽しもうと思っていた。全部キャンセルだ。残念。
 キャンセル待ちなので、ずっとその便のゲートのところに張り付いていなければならないのも面倒。近くの空港レストランはスポーツ・バーで、コンフェデレーション杯のイタリア・スペイン戦が生中継中だった。それを見たい、とても。でも、ゲートの前にいなければならない……。やれやれ。
結局キャンセル待ちの最後のひとつのシートに僕の名前が滑り込み(僕の後に並んでいた人はダメ)、無事ネヴァダ州リノへ飛ぶことができた。