Coyote meets Patagonia
ヴェンチュラ、リノ。 パタゴニア取材日記。

【パタゴニア・リノ・サービスセンター】

パタゴニアのリノ・サービスセンターは、「グリーン・ビルディング」をテーマに建造、運営されている。
環境に対する責任、資源の効率性、居住の快適性、同時に、地域社会に対する配慮や貢献……、そういったバランスをめざすことがこの場所のテーマ。
取材も、巨大なその倉庫と工場の全体を俯瞰しつつ、細部を見つめ、撮影し、話を聞くことで進んでいった。
リノは、まさに「裏寂れたラスヴェガス」という感じで、かつて大勢の観光客でにぎわった時代があったのだろうけれど、今は昔、という感じ。そのダウンタウンにある、いわゆる1階がカジノになっている(ラスヴェガスのホテルはほぼすべてがその構造。ここがその先駆けなのだろう)ホテルで、まったく馴染めないのだが、そこから車で20分ほど走ったパタゴニアのリノ配送センターがある場所は、別世界、という感じだ。
緑に囲まれ、建物のすぐ裏にトラッキー川という渓流が流れ、実に美しい。取材の朝、早く着いたからその川縁に行くと、数人のフライフィッシャーたちが川に入っていた。渓流の音が実に心地いい。樹木から樹木へたくさんの鳥たちが羽ばたき、いろんな種類の鳥の声が響く。街からすぐ、フリーウェイからもすぐの場所なのに、こんな豊かな自然が広がっている。
パタゴニアの社員や配送センターの職員たちは、各々のランチタイムに外へ出て、ピクニック気分で食事をとることができる。木陰でランチを食べているとそれだけで満たされてくる。