Photographer’s Appetite/写真家たちのおかえりごはん

その3<プレッツェル>
文と写真 梅佳代

 カメラマンになったから日本のほとんどの県行ったけど、カメラマンやからほとんどのこと忘れた。
そんで旅に出てちゃんと覚えてる率高いのが自分が生まれた石川県鳳珠郡能登町の私の家。でもこれ旅なんかももはやよくわからんけど、まーいいか。
冬の私の家はすっごい寒くて冷蔵庫開けたらあったかいって思うときがあります。冷やすつもりなかったリンゴやミカンも最高に冷たくなっとって、でも毎回忘れて食べたら心臓が痛くなります。そして「冷たい~」って家族で一瞬盛り上がります。寒いからじいちゃんは服を5枚くらい着とって、97歳やしガリガリのはずなのにそのせいでめっちゃムキムキに見えます。あ、話がそれた。
家からスーパーしんやまで5キロくらいあるけど自分の家とか隣の井上さんと端さんの家の畑のものいっぱいあるし田んぼの米もいっぱいあるし、週に2回くらい魚屋さんがすごい新鮮な魚を売りに来てくれるし、なんかしらんけど冷凍庫には死ぬほど肉が冷凍されとるし完璧です。能登ではいいもんばっかり食べます。18歳まではこんな生活やったから私の憧れは、ミスタードーナツ、サーティーワンアイスクリーム、モスバーガーです。能登から東京に帰ってきたらドトールが飲みたいです。あと、デパートのケーキが食べたいです。いつも。最近はプレッツェルも食べたいです。やっぱり都会のカタカナの食べ物は最高です。