星野道夫の暮らし

自然がぼくらの仕事です。

 真っ白な冬の“静”から輝かしい夏の“動”の世界へとアラスカの自然はまるで爆発するかのように変化する。
そして夏至が過ぎると、人々は心のどこかに早くも冬の存在を感じ始める。本当の夏はまだこれからだというのに、この日を境に日照時間が短くなるからだ。
アラスカの人々は大陽を見つめながら一年を暮らしている。冬があるからこそ、それが与えてくれる夏の恵みを知っている。
(「婦人の友」星野道夫 1994年7月号より)

発売中『Coyote』第53号より