Coyote meets Patagonia
ヴェンチュラ、リノ。パタゴニア取材日記。

第4便<ヴェンチュラ2>

9月発売の『Coyote』では、世界的なアウトドア・メイカーである「パタゴニア」を大特集する。ネヴァダ州リノ、カリフォルニア州ヴェンチュラ、ワイオミング、ハワイの4つの場所で、Coyoteの取材が行われた。

文&写真=今井栄一 text & photography by Imai Eiichi

ヴェンチュラは、LAの空港から北へ、車で1時間半ほど走った海辺の町だ。内陸を走るフリーウェイを使えば、だいたい1時間半。サンタモニカ経由で海辺の道をのんびり走っていくこともできる(そのルートだと、たぶん2〜3時間だろうか)。
こぢんまりとした町で、白人が多いが、ヒスパニック系やアジア系の人たちも見かける。町のメイン・ストリートには洒落たレストランやカフェが並んでいるが、2週間滞在して毎日違う店に入れば、すべて行き尽くしてしまうかもしれない。そんな「小さな感じ」がすごく心地いい。
太陽は眩しく、夏の日中の陽射しは強いが、海は冷たい。真夏でも冷たい。レストランでは1年中オイスターを出すし、生ガキは本当においしい。
サマータイムの夕暮れ、つまり午後8時頃だが、レストランのテラス席に座って、きりっと冷えたシャルドネを呑みながら食べる生ガキは最高だ。黄昏が長く、9時半頃まで空には残照が残る。早めに夕食を食べてしまい、黄昏の時間、海辺の遊歩道を歩いたり、海に突き出た桟橋で過ごすのもいい。とにかく夏は、アフターファイブがとても長く、気持ちいい。

海辺の遊歩道は、1日中、市民の憩いの散歩道だ。


取材で訪れていた6月末〜7月初旬。毎朝のように海辺には霧がかかった。「地元ではJune Gloomって呼んでいるのよ」とパタゴニアで知り合った女の子が教えてくれた。「この時期の名物。これも、なかなかきれいでしょう」。確かに。こんなに霧が出ていても、15分ほど走って内陸に入ると、カラッと晴れて暑いそうだ。内陸に暮らす社員も数多い。