Coyote meets Patagonia
ヴェンチュラ、リノ。パタゴニア取材日記。

 ネヴァダ州リノの、パタゴニア配送センターのカフェテリアもそうだったが、パタゴニアのカフェテリアは、「重さ=分量」でそのプレートの値段が決まるシステムだ。そしてこれは僕にとって、理想的というか、実に理にかなったシステムであるように思える。
食べる人は皿を持ち、そこに自分が食べたいものを載せていく。結果、載せた分量によって重さは異なることになる。値段は、その「重さで決まる」わけだ。


 社員用カフェテリアだから、そもそも基本は安い。でも有料。こんなとき、日本のホテルなどのブッフェ同様、たとえば「千円食べ放題」だとしたら、たくさん分量を食べる人には「お得」かもしれないけれど、小食の人には「アンフェア」だ。でもそれが、世のブッフェ・スタイルの「当たり前」になっている。これは実に不公平で、それが何十年も続いていることに、あらためて驚いてしまう。
「重さを計り、それによって値段が違う」のは、とにかくフェアであると僕は思う。


 社員たちは、カフェテリア内で食べる人もいるけれど、多くの人たちは、雨が降っていない限り、外のテーブルで食べたり、庭の芝生に座ったり、という具合だった。それはまるで、毎日ランチ・タイムが「ピクニック・タイム」みたいな感じに見えた。ランチ・タイムが「休息」であり、「気分転換の時間」だとするなら、パタゴニアのそれはまさに正しいと思った。


 ちなみに、カフェテリアのブッフェは、葉っぱが中心。生野菜のサラダを中心とした食べ物が並んでいる。「肉の感触」が好きな人にはもしかしたら物足りないかもしれないが、毎日豆腐はあるし、ヌードルやライスは必ずあるから、僕にはなんだか「毎日これでいいな」と思えるものだった。