ノースショアに住む
自然観察者たち その2

Mark Cunningham
マーク・カニングハム
【魔法のような化石のフィンの森】

リビングは海からの贈り物のように飾られた拾い集めたコレクションが美しく印象的だった。大きなガラスのボトルに入れられたプラスチックの浮き、安全ピン、使い捨てのライターがアート作品として展示されている。
「でも、他のどんな落とし物よりも素晴らしいものがあって、それをマークは誇りに思っている」とケイティは言う。「海中に沈んでいたボードフィンのコレクションよ」
指差した方向を見やると、家中の梁も桟にもフィンがまるでペナントのように所狭しと飾られ、宝物のように棚に置かれている。形も重さも大きさも異なり、珊瑚や貝やさまざまな無脊椎動物の死骸が付着して長い歳月をかけて化石となったものた。歴史を内包するフィンに触れると、しみじみと感心する。
マークはとっておきと言いながらひとつのフィンを棚から取り出してテーブルに静かに置いた。持つと意外とある重さは付着した珊瑚の重さなのだ。
「匂いをかいでごらん、海の匂いがする」マークが微笑んだ。フィンはほとんどがノースショアでライフガード時代に集められたものだ。ノースショアの主なビーチはサンセット、エフカイ、ワイメア、チャンズリーフ。マークはエフカイビーチに指導にまわるまで20年間近く勤務していたのだ。